nonameのノート

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自炊(電子書籍化)のメリット・デメリットと自炊で使う道具、自炊の方法について

私が感じている自炊(紙の本の電子書籍化)のメリット・デメリットについて書きます。
ついでに、使っている道具や自炊の方法もここに記しておきます。

私の自炊歴は約半年です(2024年5月時点)。
2023年末から自炊を始めて、紙の本の大半(9割以上)を減らしてきました。

自炊のメリット

まず、自炊をして良かったと思うことについて書いておきます。

1. 災害に強くなる

これはかなり大きなメリットだと思います。
スキャンした本のデータを適切にバックアップすれば、本自体が災害に強くなります。
紙の本のスキャンのついでに重要な書類もスキャンしてバックアップすれば家から離れて逃げるときのためらいをいくらか減らせると思います。

また、地震で本棚が倒れてきたり、本で足を滑らせて怪我をしたり――、紙の本を減らせば、このような心配も減らすことができます。

天災は忘れた頃にやってきますので、忘れないうちに本を整理しておきたいものです。

2. 紙の本があった空間を別の用途に活用できる

侘び寂びの気持ちで間を楽しむのも良いかもしれません。

3. 焼けや風化など本が読みにくくなるような劣化が無くなる

本の焼けを防ぐために日光が当たらない場所を確保するなどしなくても良くなります。

4. 紙の本を持たなくても本を読めるようになる

軽い端末やデスク上のモニターで本を読めば、手が疲れなくなります。

5. ページの拡大やページの色の変更で本を読みやすくできる

色を反転させて黒背景にして、夜に本を読みやすくするなどいろいろな活用方法があります。

6. 紙の本の手入れ(並べ替え、掃除、引っ越し)のコストを削減できる

積もったほこりを掃除するなどめんどうな思いをしなくて良くなります。

7. 検索できる

OCR の精度やアプリの機能性によりますが、本のタイトルや本に含まれるフレーズで、複数の本を同時に引っ張り出すことができたりします。

8. 電子書籍化されていない本を電子書籍化できる

当たり前のことを言っているようですが、これは電子書籍のファイルや閲読権が販売されていない本についても電子書籍化できるという意味です。

電子書籍化されないであろう昔の紙の本も処分できるようになります。

自炊のデメリット

自炊しない方が良いのではないかと思うこともあります。
その理由を書いておきます。

1. 本が目立たなくなる

例えばデスクの上に単語帳があれば、ふとしたときにそれをパラパラとめくったりして、自然と単語を覚えられたりしますが、データになるとそのような機会を作ることが難しくなります(スマホのホームや PC のデスクトップにファイルのショートカットを置くなどで代替できるかもしれませんが)。

なので、私は高頻度で何度も繰り返し読みたい本は紙の本も持つようにしています。

2. 印象付けができなくなる

平成 30 年度(2019 年 2 ~ 3 月調査)の「国語に関する世論調査」によると 47.3%の人たちは月に 1 冊も本を読まないらしいです。
そのような人たちに本棚を見せれば、勉強熱心、知識が豊富といった印象を与えることができるかもしれません。

現実的にはそのような印象付けも大事なので(専門家っぽい方の背景に本棚が置かれている写真や映像がよくあります)、背景用の本棚を保存しておくのも良いかも知れません。

3. 本の消える可能性が高まる

不適切なデータ管理方法だと紙の本よりも本が消えてしまう可能性が高まるかもしれません。

バックアップなどをがんばりましょう。

4. 裁断すると本の価値が損なわれる

裁断しただけで本の価格が下がります。
中古本として売れなくなることもあります。

5. コストがかかる(本の処理費用、機会費用

単に電子書籍を読みたいだけであれば、自炊はせず紙の本はそのままにして、改めて電子書籍のファイルや閲読権を購入したほうが家計にとって損失が少ない可能性もあります。

機会費用:自炊にコスト(道具代、時間など)をかけて電子化された本を手に入れるくらいなら、仕事などをして稼いだお金を電子書籍に使った方が良いという考え方です。

自炊で使っている道具

メリット、デメリットを踏まえたうえで自炊をすると決めたら、そのための道具が必要です。
私が使っている道具を紹介します。

カッター

本を分解するために使います。

OLFA のカッターを使用しています。
特にこだわりはありません。

カッターマット(約 32cm×10cm)

100円ショップで購入しました。
今も同じものが売られているかは分かりませんが、このサイズのカッターマットは細いので収納しやすいです。

DC-210N

A4 対応の裁断機です。
黄緑色の透明な抑え板が目印です。

同じ A4 対応の DC-200N と間違えないようにしましょう。
紙抑えの仕組みが違い、使い心地が全く異なります。
DC-210N は紙抑えをロックすることができて、裁断するときに紙のずれが発生しにくいです。
価格差以上の価値があると思います(自炊する本の冊数が多ければなおさら)。

ScanSnap iX1500

給紙トレイに約 50 枚載せられるので、カットとスキャンを同時並行しやすいです。

2024年5月現在の最新機種は iX1600 でスキャン速度が iX1500 より速くなっているらしいですが、おおむね同じような感覚で使用できそうな見た目です(実際に使用したことはないので分かりませんが)。

自炊の方法

道具が揃っていれば自炊の手順はかなり簡単です。

1. 本を分割する

本ののどにカッターナイフを当てて 40 ~ 80 ページ(20 枚~ 40 枚、DC-210N に差し込めそうな枚数)ずつに分けます。

Tips: 分割するページの数を切りの良い数字(例えば 80、160、240……)にすると、スキャナーでめくられた紙の枚数とスキャンされたページ数の対応づけを頭の中でしやすくなり、スキャンの失敗(複数枚同時に紙が送られてしまう(重送)など)に気づきやすくなります。

2. 本の背を裁断する

分割した本の背を DC-210N で裁断します。

3. 本をスキャンする。

ScanSnap で本をスキャンします。

4. データの名前を変更する

スキャン後に生成されたファイルの名前を適切に変更して自炊の完了です。

まとめ

メリット、デメリット、それぞれいろいろありますが、私は自炊をして良かったと思います。

参考

下記ページのブログを見て、自炊についての考え方が少し違うと思ったので書きました。

[B! 本] 自炊するな。ガチでやめろ。人生終わる。

変更履歴

2024-05-05:改題、内容の再構成
「自炊しよう。ガチでやろう。人生変わる(大げさかな)。」→「自炊(電子書籍化)の道具・方法とメリット・デメリット」
参考にしたブログ記事のタイトルに対応させたタイトルにしていましたが、閲覧数が少なく読者の反応がほぼ無かったので改題しました。
また、メリット・デメリットの説明に重点を置いた構成に変更しました。