10年以上ぶりに星新一の本『未来いそっぷ』を読みました。
読んでいる最中の感想ツイート:
久々に星新一の本を読んでるけど、サクサク読める割にどの話も「おおっ!」と思わせられる展開があるからスゴイな〜。あと読んだことがあるはずなのに忘れていた話も結構あって、また楽しめて良かった😊
— noname (@noname774300) August 23, 2021
10年以上前に読んだときの記憶ではそんなに古い感じはしなかったけれど、今回は昭和を感じました。
交番で他人の住所を教えてもらう話とか。自分の価値観も変わっているのかもしれないと思いました。
久々に同じ本を読み返すのもおもしろいですね。
『未来いそっぷ』が書かれた昭和から30年以上を過ぎて令和になって、世の中が小説の話に近づいている部分もあれば遠ざかる部分もあるように感じました。
「オフィスの妖精」という話では、「残業をするので収入がふえ」と書かれています。
長時間働けば給料が上がるという考え方は昭和っぽいと思いました。
「貯金がいっぱいたまっていますのよ……」
うらやましいですね。
この考え方は、明治時代に書かれた夏目漱石の『門』の主人公から感じられる考え方とも違うように思います。
彼は来年度に一般官吏に増俸の沙汰があるという評判を思い浮べた。またその前に改革か淘汰が行われるに違ないという噂に思い及んだ。
夏目漱石 門 より
やはり昭和の仕事観は一種独特に感じます。
同じ「オフィスの妖精」の話には、コンピューターや機械が人の機嫌を取るように動作して人を操る様子も書かれています。
これは、今という未来をうまく書いているなあと思いました。世の中が小説に近づいています。
他に印象に残った話は「ウサギとカメ」、「ある商品」、「いい上役」、「熱中」。
最後に、解説の新井素子さんの虫歯が治っているのか気になりました。